ユニリーバ・ジャパンが考える「生産性」の意味

「人事で世界を変える!」という目標を掲げ、先進的な「働き方改革」を行っているユニリーバ・ジャパン。このプロジェクトの狙いは? そして成果はいかに?

ユニークなネーミングで、社員がワクワク働く

新しい働き方について、社会的に大きなインパクトのある取り組みを行っているのがユニリーバ・ジャパン。2016年7月から始めた「WAA(Work From Anywhere and Anytime)」という人事プロジェクトだ。上司に申告すれば、理由を問わず、自宅や図書館、カフェなど好きな場所で勤務でき、平日の朝6時から夜9時までの間で自由に勤務時間や休憩時間を選ぶことも可能だ。例えば、子どもの起床前に会議の準備をし、朝食の支度や保育園への登園などを済ませた後に自宅で仕事、夕方は保育園のお迎えまで仕事をしてから、家事・育児の時間を挟み、子供の就寝後に再び仕事をする、といった働き方も可能になる。この仕掛け人が、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス 取締役人事総務本部長の島田由香さん。「私はネーミングをとても大事にしているんです。伝えやすさとか、聞いた人の理解しやすさとか、ネーミング次第でエネルギーが変わるから。で、この『WAA』というのは『わぁ〜』と発音するのですが、何か嬉しい喜びがあったときの歓声の『わぁ〜!』であり、また『わぁ〜』っと広まってほしいという願いを込めた言葉でもあります」。

2016年7月から始めた「WAA(Work From Anywhere and Anytime)」という人事プロジェクト

スタートから11ヶ月が経過。今のところ、結果は良いことばかりだという。「導入してみて、社員の約7割の人が『導入前よりも導入後のほうがポジティブなことがある、毎日の生活が良くなっている』と感じていて、仕事上の生産性についても平均して30%向上していると感じているという結果が出たんです」。しかもその「生産性の算出方法」が独特だ。「何を基準にしようか考えたのですが、結局『感覚値でいい』ということにしました。『自分が良くなっているって感じればそれでいいじゃん!』って。実際のところ、生産性というのは企業側の視点。でも、感じる側が健康なのか体調が悪いのか、ハッピーなのか機嫌が悪いのかで全然違ってきてしまうはず。だから生産性っていう言葉を『生き生きと産み出したくなる状態』って読み替えることにしたんです。でも本当は新しい言葉が必要じゃないかと思っています。『幸性』って書いて「しあわせ〜」とか(笑)」。

このWAAプロジェクトのロゴは自転車をモチーフにしているという。ここにも深い意味がある。「この両輪は、『ワークスタイル』と『ワークマインドセット』。形と思いの両輪が必要だっていうことなんです。そして、自転車って最初から乗りこなせる人はいませんよね? 最初はみんなおそるおそる漕ぎ始める。途中から補助輪を外して、よろけたり転んだりしながら、いつか普通に自立して、自分でハンドルを切っていけるようになろう、そういう考え方を込めているんです。新しい働き方もいきなりはうまくいかないかもしれないけど、自転車に乗れるようになったときのように、まずはやってみよう、と」。

現在、「Team WAA」として社内のみならず世の中全体に新しい働き方を広めるべく、勉強会やディスカッションなどの場を作っている。この先やりたいこともまだまだたくさんあるという。「ひとりの人間の能力や才能や可能性を1社だけで使う時代はもう終わっていると思うんです。だから兼業や副業があたりまえの世の中になるように、社会的な仕組みとしてサポートできたらと思います。トレーニングをシェアし合うのはもちろん、複数企業で人材をシェアするという考え方が生まれてもいいと思います。やりたいことがたくさんあってワクワクしますね」。

PAGE TOP